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2012年6月22日金曜日

妻・り~さんへの『AFC-East開幕前分析』講座。

妻・り~さんから、LT絡みの記事に対し、”ジェッツ(;´Д`)大丈夫と思う?”とのコメントを頂戴した。
大丈夫かと訊かれれば、大丈夫と返しておきたいものの、根拠も無しに答えていると政治家と変わらない。

AFC-Eastについて、再度検証してみる。
5/22の記事の再掲で手抜きしつつ、ちょっと加筆してみて、更にコメントを追加。

すんごい長いので、要注意。

1、昨年を振り返ってみよう。

まず、各チームの昨年の成績。

【New England Patriots】
13勝-3敗(SuperBowl敗退)、513得点-342失点(+171)、61TD

【New York Jets】
8勝-8敗、377得点-363失点(+14)、45TD

【Miami Dolphins】
6勝-10敗、329得点-313失点(+16)、33TD

【Buffalo Bills】
6勝-10敗、372得点-434失点(-62)、43TD

勝敗に関しては、NEが抜きん出ているのは、まぁ現実の数字。
この点について直接どうこう言っても仕方が無い。

圧倒的な差の要因は、その攻撃力。
得点リーグ3位、獲得距離2位のPatsオフェンスは、リーグの至宝QBブレイディに相棒WRウェルカー、若きTEコンビと粒揃いで、圧巻そのもの。
ことオフェンス力にかけては、Patsと他3チームでは雲泥の差。

ただし、失点数は各チームともそう大差無い。
失点はMIAがリーグ6位、喪失距離ならNYJはリーグ5位と、なかなかに堅固だ。

打倒Patsの手立ては数あれど、結果として行き着くところは、NEを上回る攻撃力を手に入れるか、NEを封じる守備力を身に着けるか、そのいずれかに収束する。
そして前者は、ほぼリーグ最強レベルの攻撃陣を揃えようとするに等しく、極めて難儀。
ならば、まずは守備から手入れするのが自然な流れ。

2、戦力の強化・低下具合を確認しよう。

続いては、5/22の記事の再掲で、攻撃の主軸、その他の注目選手、ドラフトでの最初の指名選手。
これに、昨シーズンの主力の離脱と、新人を除いた今シーズンからの新戦力を加えてみる。
手間が掛かるので、同チームへの再契約選手とか、先発の可能性が薄い選手は割愛。

【New England Patriots】
T・ブレイディ-D・ウッドヘッド-W・ウェルカー
注目選手=R・グロンコウスキー
ドラフト1stピック=D・ハイタワー(LB)
マイナス組=WRオチョシンコ(MIA)、OTライト(引退)、DEアンダーソン(BUF)、LBガイトン(MIA)
プラス組=RBアダイ(IND)、FBラーセン(DEN)、FBフィアメッタ(DAL)、WRロイド(STL)、WRストールワース(WAS)、WRギャフニー(WAS)、Gギャラリー(OAK)、ファネーネ(CIN)、DEスコット(OAK)、LBカーペンター(DET)、Sアレン(MIA)

【New York Jets】
M・サンチェス-S・グリーン-S・ホームズ
注目選手=D・リーヴィス
ドラフト1stピック=Q・コプルス(DE)
マイナス組=RBトムリンソン(引退)、WRバレス(未定だがまず戻らない)
プラス組=QBティーボウ(DEN)、WRシュレンズ(OAK)、Sランドリー(WAS)、Sベル(MIA)

【Miami Dolphins】
M・ムーア-R・ブッシュ-D・ベス ※QBはムーアでなくギャラードが開幕先発の可能性大
注目選手=J・ロング
ドラフト1stピック=R・タネヒル(QB)
マイナス組=WRマーシャル(CHI)、DEテイラー(引退)、DEマーリング(GB)、DEラングフォード(STL)、Sベル(NYJ)、Sアレン(NE)
プラス組=QBギャラード(JAX)、WRオチョシンコ(NE)、WRナネイ(CAR)、CBマーシャル(ARI)、LBガイトン(NE)

【Buffalo Bills】
R・フィッツパトリック-F・ジャクソン-S・ジョンソン
注目選手=M・ウィリアムズ
ドラフト1stピック=S・ギルモア(CB)
マイナス組=WRパリッシュ(SD)、OTベル(PHI)、CBフローレンス(DEN)
プラス組=QBヤング(PHI)、RBチョイス(DAL)、DEウィリアムズ(HOU)、DEアンダーソン(NE)

得てして、「出入りの差し引きのプラマイ」=「チーム戦力の上下」には繋がらないものだが、刮目すべきは各チームのの守備陣の増強。
特にBUFは、元ドラフト全体1位の“スーパーマリオ”DEウィリアムズに、今年のドラ1で万能CBギルモアを獲得、元サック王のLBメリマンの復活も囁かれ、昨年のドラ1のDTダリウスも加えて恐ろしい布陣に。
NYJも、弱点とされたセーフティ陣にSランドリーとSベルを補強した。
リーグ最強CBリーヴィスを含めたDB陣がカバーしている間に、今年のドラ1のDEコプルスと昨年のドラ1DEウィルカーソンを含めてパスラッシュを掛ける、というスタイルが機能すれば、強力守備が完全復活となる。

地区王者でありながら出入りがかなり激しいのがPats。
長くチームに留めようとせず、選手のピークの数年をNEで過ごしてくれればそれで良いという哲学か?
特にWR陣の入れ替わりようはかなり激しいが、QBブレイディなら誰でも使いこなせるという自信の顕れとも見える。

よく理解できないのがイルカ。
エースWRを放出し、QBは外様QBギャラードがドラ1QBタネヒルの芽を摘み(育成期間と言えなくもないが)、地上戦はNOでBUST(期待外れ)の烙印を捺されたRBブッシュに託すしかない。


と、ここまでを踏まえて、正直な感想に移ろう。

 
3、プレイオフに向けたシナリオ。

Patsがプレイオフに絡んで来るのは、NFLを観ている人間であれば、誰しもが容易に予想できるところ。
これはちょっとばかり、否定しようが無い。

ならば、Patsを僅差でも上回って地区優勝できるか、と言えば、NYJとBUFには可能性は無いことは無いと思えるが(逆に言えばイルカは無い)、なかなかに難しい。
レギュラーシーズンにピークを持って行くと、肝心のポストシーズンで息切れしたり、戦術・戦略が丸裸にされて、我がPITなんかにボコられがち。

ならば、Patsの地区優勝は“あわよくば阻止”に留め、地区2位ながらも高勝率でワイルドカードを狙うのが現実的かと。
地区優勝を狙わずして地区2位が獲れるか!というお叱り・反論があるのは当然だが、あくまでも最終目標はスーパーボウル制覇であって、プレイオフ進出ではない。

と言いつつ、先ずはプレイオフ進出の椅子を確保することだが。
プレイオフは、昨季がCINの9-7、2010がNYJの11-5、2009がBALの9-7、その前がBALの11-5。
順番から言えば今年は11勝が当落ラインだが、根拠はまるで無いので、まぁ2桁勝利が目安か。

Patsを除いた各チームの狙いとしては、同地区内の6試合で計5勝1敗(Pats以外には4戦全勝し、Patsとは両チームのホームゲームで勝ち分けての1勝1敗)と、ドンと高めに見積もる。
残る地区外10試合を、6勝4敗と勝ち越しで終われば、計11勝でプレイオフは充分に射程圏内。


4、今年の対戦相手を確認しとこうぢゃないか。

ここで、各チームのレギュラーシーズンスケジュールに目を移す。
地区外対戦カードは、開幕から順にこんな感じ。

BUF…KC、CLE、SF、ARI、TEN、HOU、IND、JAX、STL、SEA
MIA…HOU、OAK、ARI、CIN、STL、IND、TEN、SEA、SF、JAX
NYJ…PIT、SF、HOU、IND、SEA、STL、ARI、JAX、TEN、SD

共通するカードであるAFC-South(HOU、TEN、JAX、IND)とNFC-East(SF、ARI、STL、SEA)は、条件も大差ないのでとりあえず棚上げ。
よって、AFCのNorthとWestの同順位対戦がキモか。

比較的楽なのは、当然ながら昨季地区最下位のBUFで、CLEとKC。
序盤に当たるので、ここで連勝しておくと、後で星勘定が非常に楽になる。

MIAはCINとOAKで、決して楽な相手ではないが、2連勝も計算できる。
冬場の寒冷地での試合が、最終17週の@NEまでほとんど無いと思われるので、地上戦よりむしろ空中戦が重要となりそう。

そして、NYJ。
同順位対戦がPITとSDで、ちょいと厳しいねぇと言わざるを得ない。
開幕から同地区対戦と昨季プレイオフ進出チームとの5連戦で、結構苦難のゲームが続く。
逆に云うと、13週以降は結構戦い易そうな相手が多く、中盤まで喰らい付いて行ければ可能性は残せる。


以上を判断材料として、AFC-Eastを分析してみるワケだが。


5、んで、結局のところ、ドゥーなの?


鍵となるのは、AFC-Eastの同地区同士の潰し合い、コレに尽きる。
前述のワイルドカード争いにしろ、 「Pats以外には4戦全勝」を前提条件としている。
実際のところ、3勝1敗くらいなら何とかならなくもないと思うが、それだと他地区に圧勝しなければキツい(若しくはPatsに2連勝なので、よりキツい)。

そこで、大きく影響するのではないかと踏んでいるのが、「今年の対Pats用の補強が、Pats以外の同地区ライバルとの対決で、どう影響するか」と云う点。
より具体的に言うと、各チームのディフェンス力増強で、NYJとBUFとMIAのどのオフェンスが潰されるか、と云う点。
ウン、ここでQBサンチェス君が大事になって来るよ。

各チームとも、QBブレイディやWRウェルカー、TEグロンク等が織り成すPatsのパスオフェンスを警戒し、パスディフェンスを徹底的な強化を図っている。
BUFは、強力なパスラッシャーを揃えて前衛強調の布陣を敷きつつ、“鳥人”FSバードやCBギルモアがINTを狙う。
NYJは、SS・FSを補強しCBリーヴィスを筆頭とした後衛を更に磐石にしつつ、DEコプルス等の若き猛者共がQBサックを狙う。
MIAは、…、うん、頑張ってる。

結果的に苦しむのが、ターゲットであるPatsは兎も角、他3チームのQBであり、パスプロの要となるLT。

パスプロに関しては、プロボウラーLTファーガソンおよびLTロングを擁するNYJとMIAは強い。
LTベルがFAで抜けたBUFと、LTライトが引退したNEは、ちょいと苦しい。
再構築に入っているチームが多く、昨年来のOL陣が残り、むしろ強化しているのは、NYJくらいのものか。

あとは、パスプロが破られ、ターゲットもカバーされた状況で、QBがどれだけ冷静な判断を下せるか。
別格のQBブレイデイは触れずに華麗にスルーするとして、BUFのQBフィッツパトリック、MIAのQBギャラード(現時点)、そしてNYJのQBサンチェス。
去年の開幕ダッシュを決めたQBフィッツパトリックは見事だったが、出木杉クンだった感は否めない。
JAXをプレイオフに導いたことのあるベテランQBギャラードの経験値は買えるが、怪我と年齢による衰えは皆無とは言えないし、ドラ1ルーキーQBタネヒル体制への移行を求めるファンの声もプレッシャーになると見る。
ならばNYJのQBサンチェスは…。

ハッキリ言って、冷静なコンダクターとなり針の穴にパスを通すタイプではない。
持ち過ぎてQBサック→ファンブルを喰らうこともあるだろうし、無理に投げてINTを喰らうこともあるだろう。
だが。
彼の真価は、そんなところには無い。
後半になると成績が急上昇するように、プレッシャーが掛かる状況でワケの分からぬパスを通し、奇跡の如き攻撃を展開する。
また、全米の注目を集める“神の子”QBティーボウ(FB?丁坊?誰だっけ?)の加入による競争を危惧する声もあるが、戦術的な幅を広げられる存在であるし、戦略的に見てもプラスにこそなれマイナスとなることは無い。

以上より、BUFやMIAは、対NE用に練られたAFC-Eastの包囲網に絡まり、苦しいオフェンスを強いられる。
一方で、そんなのは気にしないNYJは、網の中からでも平気で普段のオフェンスを繰り広げる。
ならば、結果は見えている。


6、 ジェッツ(;´Д`)大丈夫と思う?

最初に断ったとおり、非常に長くなった。
結論として、大丈夫と思うかというと、“大丈夫”。

11勝5敗で地区2位、ワイルドカード1位でプレイオフ進出!

…微妙?

2 件のコメント:

  1. 旦那様~ヽ( ̄▽ ̄)ノ最終的になんか誉められてない一文もある気がしないこともないが、とにかくありがと~ヘ(≧▽≦ヘ)♪

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  2. 何かBUFの評価と期待が高い気がするんだよね、最近。そんな時は得てして転ぶもんだけど。
    NYJのロスター分析もしてみよかねぇ。

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